Case Study

「認  知」

認知という言葉がありますが、具体的にはどういうことでしょうか。自分の子供でも、当然には法律上の親子と認められない場合があります。婚姻関係にない女性が産んだ子供(非嫡子)は、父親が認知する事によって法律上の親子と認められ、母親の戸籍に入っている子供の「父」の欄に、父親の姓名が記入されるのです。
戸籍法では、認知は父親の届出によるため(同法60条)、正当な婚姻関係にある妻や嫡出子にとっては、自分達が知らない間に、夫(あるいは父親)が認めた新たな子供が法律上発生していた、ということもあり得ます。遺産分割協議をしようとして戸籍を取り寄せたら、初めて分かった、などということもあります。
全く逆に、女性や、認知されていない子供の方から、父親を相手に認知の訴えをして、親子であることを認めさせる事が出来ます。実務的にはこのような相談が多く、父親が資産家であるような場合には、厳しい争いとなります。訴訟では、訴えを起こした原告の女性の側で、懐胎期間内に被告である父親との情交関係があること、同期間内に母親の他の男性との情交関係が不存在であること、血液型の背馳のないこと、被告の父としての言動、などの事実を立証していく事になります。近時は、血液型(赤血球型、白血球型、赤血球酵素型等の血液型)や、DNA鑑定が、親子関係の証明の重要な要素になっています。
認知の訴えは、父親の死亡後も3年以内なら可能です(死後認知)。父親存命中の認知の訴えは、明らかに正当婚姻関係にある妻やその子の相続予定財産の減少につながりますので、これらの人々の反発が強くなります。つまり、認知の訴えが為された途端に、生前贈与などで父親の財産を減らそうとすることがあります。最近は、親子間の科学的証明の手段が確立さているので、意図的な相続予定財産の減少を引き起こさせないよう、死後認知の訴えの方が、原告側にとって有利且つ効果的な手段になると思われます。