Case Study

「成年後見制度」

痴呆、知的障害、精神障害などの理由によって、財産の管理が適正に出来ない成人について、家庭裁判所で後見人などを選任して貰い、財産の管理をしてもらうことが出来ます。これが成年後見の制度です。
未成年者の場合は、親権者(親)が財産管理をすることになりますが、成年者では、家庭裁判所の特別の手続きによって成年後見が始まります。
成年後見制度は、平成11年度から導入されています。年々申し立て件数が増加し、平成15年度の全国の家庭裁判所の成年後見の開始状況は約15000件に及ぶとの統計が出ています。
 申し立て動機は、財産(不動産など)の管理処分、身上看護、遺産分割協議などの目的で行われます。
 本人(成年被後見人)は、男性では70~80歳代が多く、女性では80歳以上が多くなっています。
 成年後見人に選任されるのは、8割以上が本人の子、兄弟姉妹、配偶者などの親族であり、残りが弁護士、司法書士などです。
 実際には、本人に相当の資産がある場合に、財産の処分や遺産分割協議や登記の手続を行うためにこの制度が利用されるので、本人の財産管理処分権を成年後見人に任せるための慎重な判断が必要で、家庭裁判所においては、成年後見人は審判で選任することにしています。
また、本人の精神鑑定が為される場合が多く、家庭裁判所から依頼された精神科医が本人の精神鑑定を行い、審判の資料にします。鑑定の期間は1~2ヶ月を要し、鑑定費用は10万円前後となっています。
 成年後見人がいる場合に、本人が財産について契約など取引を行えば、原則として取り消される事になるので、取引の安全のため、成年後見の内容が登記され、相手方などは、法務局に対して、登記簿ファイルに記載した事項の証明書を要求する事が出来ます(後見登記などに関する法律10条)。