Case Study

「身元保証契約」

子供が会社に就職するに当たり、親が会社に対して「身元保証書」等の書類を差し出して、本人が会社に対して故意または重過失により損害をかけた場合には本人と連帯して責任を負うという内容の身元保証契約をしていることが多くあります。
 子供が会社に巨額な損害を与えた場合には、親が全額の責任を負わなければならないのかという問題があります。身元保証に関する法律では、身元保証人の責任は無制限ではありえず、被用者の監督に関する使用者の過失等の一切の事情を裁判所が斟酌すると定められています(同法5条)。また被用者が責任を負うような行動をとっていることや、被用者の仕事や任地の変更などについて、使用者から身元保証人へ通知する義務を定めています(同法3条)。
 判例では、証券会社の外務員が顧客からの注文を受けた際のミスによる会社の損害について身元保証人の責任は本人の4割とした事例や、本人の業務上横領について身元保証人の責任を本人の6割3分としたもの(豊田商事事件)や、出向先での業務上横領事件について会社の監督が不十分であるとの理由から身元保証人の責任を本人の1割に限定したものもあり、具体的事情が考慮されます。
身元保証人の責任が発生するような場合は、本人の刑事事件とも密接に絡んでいたり、解決にも専門家的判断が要求されるので、会社から指摘があった場合には、責任の範囲や額について制限があることを念頭に入れて弁護士などに相談されるようお勧めします。