Case Study

「未成年者の監督者の責任」

小学生2人(9歳)の子供がキャッチボールをして遊んでいたところ、そばにいた子供にボールがぶつかり、運悪くその子が亡くなってしまった。このような場合には、親にも責任が在るのでしょうか。
子供は12歳前後で責任能力(損害賠償責任を負担する能力)を取得するので、それに至らない子供が起こした事故については、子供自身は責任を負いません。そこで、親に対して監督不行き届きという理由で損害賠償責任を負わせ、被害者を救済することにしています(民法714条)。
 具体的には、最近の平成17年2月17日の仙台地裁の判決では、上記の例について、小学生が危ないボール遊びをしている事を止めさせなかったということで、その子供達の親の責任を認め、6000万円を超える損害賠償を命じています。
その他、小学校4年生が教室内で鉛筆を投げ、他の子供の目をつぶしたという例では、約4300万円の責任を親に認めた判決もあります。
 責任能力がある子供、例えば高校生がバイクで暴走を繰り返した挙句に、事故を起こして他人を怪我させた場合などは、本来、その高校生自身が責任を負うのは当然ですが、それでは被害者の救済にならないので、判例では、親に監督義務違反が在る場合には、親にも責任を認めています。
中学生の15歳の子供が友人を殺害して所持金を奪った事件については、親の教育の欠陥が著しく、子供の非行性が強いなどの点から、親にも責任を認めたという最高裁の判例があります。
 子供の危険な行為の放置や放任は、民亊上の責任や、多額の損害賠償義務が免れない場合もあり得るということを、頭のスミに入れておく必要があります。