Case Study
「相続財産管理人」
相続人の範囲は、被相続人の配偶者とその子供、代襲相続人(孫)、再代襲相続人(ひ孫)、直系尊属(親、祖父母)、兄弟姉妹およびその子供(甥姪)までです。それ以外は、親族であっても、相続人にはなりません。
相続人が誰もいない場合は、借地上の建物や、それに伴う借地権は、承継されず、誰のものでもない事になり、第三者はもちろん、国や都などでも処理が出来ません。また直ちに国庫に帰属するという処理も出来ません。
そこで、地主さんは、地代という債権をもっているので、相続財産(建物や借地権)に利害関係を有することを主張し、家庭裁判所に相続財産管理人の選任を申し立てます。
家庭裁判所により選任された相続財産管理人(通常は弁護士など)が、現れていない相続人がいるかどうか、また、遺言による包括受遺者や特別縁故者がいるかどうか、他に債権者がいるかどうかなどといった調査や、財産の処理をし、最終的には、地主さんや、建物に設定された抵当権者等と話し合い、建物の処分(明け渡しや、取り壊し)をすることになります。地主さんとしては費用(相続財産管理人の費用)や時間(1年程度)を掛けざるを得ない事になりますが、きちんとした処理がされる事になりますし、これ以外に適切な手段が考えられないのが現状です。
六本木新聞掲載記事より