Case Study

「購入不動産の価値下落に対する損害賠償」

例えば、A)マンションを購入したが、その後、目の前に高層マンションが建って景観が損なわれた、とか、B)その部屋で殺人などの事件があったことが購入後に判明した、など、不動産の価値が下がってしまったと考えられるときには、その差額についての損害賠償をしたいということがあります。
Aの眺望阻害のケースでは、過去の判例では、購入した部屋がリゾートマンションの最上階のペントハウスだったため、20%の減価が認定された例があります。販売代金3860万から経年変化の下落率(10%)を差し引いた金額の20%相当額694万円を、眺望と景観の減価相当額と判断しています。
売主側は、契約条項に「将来中高層建物が建築される場合があることを、買主は異議なく承諾する」という特約があることを理由に、賠償の責任はないと主張しましたが、裁判所は、売主には将来眺望を阻害するようなマンションを建築してはならないという信義則上の義務が認められるとして、債務不履行責任を認めました。
また、Bのように、購入マンションにおいて過去に、一般的に嫌忌すべき歴史的背景(例えば殺人事件や縊死)があったことが、購入後に分かった場合には、売買契約に「隠れたる瑕疵」があったとして、購入者が契約を解除する事が認められたり、契約を解除しないまでも、売主に対して損害賠償が認められた事案があります。
5ヶ月前に自殺があったとして13%相当の賠償を認めた例など、過去に自殺があったケースで賠償を認めた判例は多く、更に殺人事件があったケースでは、30%の減価を認めたものもあります。
少し専門的ですが、前者Aは債務不履行、後者Bは瑕疵担保責任といわれ、売主側に損害賠償責任があるという事になります。