Case Study

「親権者と子の利益相反行為」

未成年者(20歳未満)の財産の管理・処分は、親権者である父または母(両親がいる場合は父母の共同親権)が、未成年者に代わって行ないます。
 例えば、親権者の母と未成年の子が共有する土地や建物を第三者に売却する場合には、その母親が自分の共有持分は自分で、子の共有持分については親権者として子を代理して、第三者と売買契約を締結して、売却を行なうことが出来ます。
 しかし、親権者のためには利益であるが、未成年者の子には不利益な行為については、未成年者の子の利益を守るために、親権者が、家庭裁判所に対して特別代理人の選任を請求することが義務づけられています。
 顕著な例として、①親権者が第三者からお金を借りるに際して、子を代理して子を連帯債務者とし、且つ子の所有する不動産に抵当権を設定する場合、②親権者が自分の債務の弁済の為に子の不動産を売却する場合、③親権者と子が共同相続人である場合に、親権者が子を代理して、相続の放棄や遺産分割協議をする場合、などが挙げられます。
 また、親権者が数人の未成年者について親権を行なう際、その一人と外の子の利益が相反する場合には、同じように、特別代理人の選任を要します。
 利益相反にもかかわらず、親権者が特別代理人の選任をしないで行った行為は、無権代理として無効であり、未成年者が成年に達した後に追認しなければ、その効果は本人に及びません。これは取引上重要な問題なので、注意を要します。
 特別代理人の選任の申立は、比較的簡単な手続きです。子の所在地の家庭裁判所に申立をし、審判事件となります。