Case Study

「離婚に伴う不動産の処分」

協議や調停によって離婚が成立するとしても、問題になるのが、夫婦が同居していたマンションなどの不動産の処分です。夫婦の一方が、自分の親からの相続で不動産を得た場合や、自分が特に得た所得で不動産を購入した場合には、夫婦別産制の原則から、清算を要しません。また妻が専業主婦の場合は、夫が給与収入で不動産を取得してローンを支払っていたとしても、妻は家事労働や育児労働によって貢献していると考えられるので、実質は夫婦の共有財産と評価され、離婚の際には原則平等に分配されることになります。しかし、その場合にも、その不動産形成に妻がどの程度寄与していたのか(寄与度)が計算されます。分配の方法については(夫が名義人の場合)、
①返済中の住宅ローンがある場合には、不動産の時価からローンの残元金を引いたものを不動産の現在価格として、各自の寄与割合を乗じて決める。
②返済中のローンの残額が不動産の時価を上回る場合には、ローンは夫に継続して負担させ、結局清算すべき積極財産は無いことになる。
③離婚後、妻子が継続してその不動産に居住する場合、寄与分で計算した妻の取り分が不動産価額に満たないときには、夫から不動産の持分を分与させて調整する。
④名義人の夫がそのまま不動産を取得する場合には、寄与分により計算した金額を夫から妻に現金で分与させる。
等の、一応の基準とされる方法があります。
なお、通常は、離婚後、夫名義の債務を専業主婦の妻に分担させることや、返済した住宅ローンの一部を財産分与の対象とすることは出来ないとされています。