Case Study

「住居用マンションの事務所使用」

前回に引き続き分譲マンションの問題です。
分譲マンションでは、店舗使用部分と住戸使用部分と分かれているもの、住戸専有部分のみのものなどがあり、「住戸部分」を所有者が自分で事務所に使用したり、第三者に賃貸して事務所の使用を認めた場合などは、ほかの居住者の住居の平穏や、マンションの資産価値が、騒音などにより損なわれることがあります。
住居専用のオートロック式のマンションでも、少人数のいけばな教室や書道教室などに使用したりする場合は、通常は問題となりませんが、ピアノの教授や大人数の塾などを行う場合には、騒音や使用の乱雑さなどが生じるため、問題となることがあります。
 また、事務所として使用する場合にも、営業用の設備や機器が設置されたり、事務所への来客などが頻繁に出入りすることで、騒音や安全面などの問題から、マンションの資産価値に影響することがあります。
 この様な場合には、区分所有者の全員で構成される管理組合の理事長が、その者に対して、「規約や使用細則」に反したため、または「区分所有者の共同生活の秩序を反する行為」を行ったということで、これを止めるように勧告をし、また理事会の決議により、差し止め、排除、原状回復に必要な措置や、損害賠償の請求などが出来ます。
 判例では、住居専用マンションにおける区分所有者が、第三者に貸して事務所として使用させたことに対して、賃貸借契約の解除と第三者の退去を認めたものや、区分所有者の夫が経営する病院の看護婦の幼児保育室としたものについて、幼児が飛び跳ねたり騒いだりすることによる振動や騒音が、区分所有者の共同の利益に反するとして、保育室としての使用の差し止めを認めたものがあります。